COVID-19とクロロキン

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(2020:03:02 14:00:55, SONY α7R IV, F2.8, 1/3200, ISO:100, 70mm, 24-70mm F2.8(SEL2470GM), 20.6℃, 1009.0hPa, 48%)

COVID-19は2020年3月2日現在、日本での感染者は239人で死亡は6人(旅客船関連705人、死亡7人は除く)、世界での感染者は8万9240人、死亡が3058人と発表されています。
公開データを利用した分析によると致死率は4.3%、重症率は18.1%と変わらず高値をキープしています。

日本は相変わらず検査がほとんど行われていません。
個人はもちろん医者からの要請ですら検査を断られるという話があるほどです。
「自分の身は自分で守れ」という状態になりつつあるためCOVID-19で効果があるかもしれない薬を3種類購入しました。そのうちのひとつクロロキン(Plaquenil、hydroxychloroquine sulfate)です。

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クロロキンはマラリアや慢性リウマチの薬として長年使われている安価な薬で、
エンドゾームのpHを上げることでSARS-CoV-2感染を妨ぐ効果が期待され、次世代のCOVID-19治療薬の候補に挙げられています。

100人以上のCOVID-19患者へのヒドロキシクロロキンの投与では肺炎悪化を抑制、肺画像改善、陰性への変化などがありました。

しかしエンドゾーム経路での侵入よりも、プロテアーゼ存在下での細胞膜経由の侵入の方が100~1000倍効率よく感染するため、クロロキン単独での感染予防効果はあまりないかもしれません。

COVID-19の主な症状は呼吸障害で自発呼吸できない患者が多く、頭痛、吐き気、嘔吐を訴える患者もいます。そのことやSARSなどでの解剖結果から脳内のSARS-CoV-2が症状の悪化に寄与している可能性があります。
脳への感染は血液やリンパ液経由ではなく、鼻腔などからニューロン経由で到達していると考えられ、エアロゾル経由の抗ウイルス薬やマスクの利用がその侵入経路の阻害に効果ある可能性があります。
脳ではACE2受容体の発現が少ないためクロロキンによる感染阻害効果はないかもしれません。

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※薬の摂取は危険なのでおすすめできません※

COVID-19の治療では500mg/12時間を10日間投与、最小投与期間を5日としているものもあるが、自己免疫疾患用途では最大600mg/日と指定されている薬のため過剰投与。

試験管内でSARS-CoV-2に対するEC90は6.90μMで、これは(私の体重の場合)1日500mg投与に相当するので3錠/日=600mg/日程度がいいかもしれない。

永久的な視力低下などの副作用がある。
子供、高齢者、基礎疾患ありなどの場合は利用禁止。

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市販薬でなくとも一般的な食べ物がCOVID-19の予防や治療に使えるかもしれません。

例えばフラボノイドの一種rhoifolinは試験管実験でSARS-CoVに対する感染阻害効果が報告されています。
レモンを食べるともしかしたらコロナウイルス感染予防になるかもしれません。


以下は今回参考にした資料メモ

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Expert consensus on chloroquine phosphate for the treatment of novel coronavirus pneumonia
2020/02

クロロキン
500mg/12時間を10日間投与
胃腸障害が重度な場合は1日1回投与
■治らない視力低下などの副作用あり

以下の患者はクロロキン禁止

・18歳以下は禁止
・65歳以上は禁止
・妊婦は禁止
・4-アミノキノリンにアレルギーある患者は禁止
・血液疾患患者は禁止
・肝臓/腎臓疾患の末期患者は禁止
・網膜疾患、難聴は禁止
・精神疾患は禁止
・皮膚障害は禁止
・G6PD欠乏症は禁止
・その他基礎疾患患者は禁止(詳細論文にあり)

最小投与期間は5日
体温が3日間正常に戻るなどで退院

副作用
めまい、頭痛、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、耳鳴り、下痢、過敏症などは投与中止で元に戻る
角膜に白い粒子は投与中止で元に戻る
網膜浮腫、色素蓄積。視力低下。網膜症、黄斑変性などが長期投与で起きる。元には戻らない
ジストニア、ジスキネジア、舌伸展、斜頸などの外部脊椎疾患。部分的に元に戻らない
不正脈や心筋ショック
溶結、再生不良性貧血、血小板減少
皮膚炎、白髪、脱毛、神経筋痛など

※その他、投与中の注意事項あり

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Remdesivir and chloroquine effectively inhibit the recently emerged novel coronavirus (2019-nCoV) in vitro
04 February 2020

SARS/MERSの治療ではribavirin,interferon, lopinavir-ritonavir, corticosteroidsなどが用いられている。
この研究ではribavirin,penciclovir, nitazoxanide, nafamostat, chloroquine,よく知られた抗ウイルス剤 remdesivir (GS5734), favipiravir (T-705)を用いた。
対象は2019-nCoVで、in vitro

クロロキンはマラリアや自己免疫疾患によく用いられ、抗ウイルス効果が近年報告されている。
クロロキンはエンドゾームのpHを上げることでウイルス感染を妨げる。クロロキンは細胞への侵入と放出の両方を妨げる。
さらに免疫に対する効果で相乗的に抗ウイルス効果を発揮する。
試験管内で、2019-nCoVに対するEC90は6.90μM=500mg投与。
クロロキンは70年間安全に利用されている。

※EC90:90% effective concentration

※クロロキン市販薬は一錠200mg→最初の10日前後は3錠/日、その後2錠/日程度?

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Chloroquine is effective against influenza A virus in vitro but not in vivo
21 January 2008.

クロロキンはインフルエンザに対し
試験管内では効果的
マウスとフェレットの体内実験(12.5~37.5mg/kg/day)では効果なし
influenza viruses PR8(H1N1)、HK68 (H3N2)

HIV-1に対して既存の治療+クロロキン投与では感染量の減少が見られた。

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Anti-malaria drug chloroquine is highly effective in treating avian influenza A H5N1 virus infection in an animal model
4 December 2012

クロロキンはリソソームのpHを上げ、ファゴソームの融合とリソソームタンパクの減少を阻害する。
クロロキンはエンドゾームの酸性化を妨げ、インフルエンザウイルスのエンドゾーム系侵入を阻害する。

マウスを用いた実験ではインフルエンザ感染に対して十分な効果はなかった。

クロロキンは免疫反応のTLR信号系を阻害する。
膵臓ガンのケモカイン受容体CXCR4のアンタゴニストとして結合を阻害する。

マウスで炎症性サイトカインが働いていないときのクロロキン投与でインフルエンザAH5N1ウイルスの肺へのオートファジーを阻害した。

クロロキン30μMで80%阻害、10μMで70%阻害
感染直後の投与で効果あり
感染6時間後の投与では効果なし


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Dose refinements in long-term therapy of rheumatoid arthritis with antimalarials.
1983 Jul

クロロキン投与量と体内濃度

8.3mg/kg/day(体重55kgで460mg/day)投与で3週間後に10μM平衡状態になる
4.0mg/kg/day(体重55kgで220mg/day)投与で4週間後に1μM平衡状態になる

※市販薬は一錠200mg

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医療用医薬品:プラケニル

ヒドロキシクロロキン硫酸塩

重大な副作用
下痢
眼障害
中毒性表皮壊死融解症
血小板減少症、無顆粒球症、白血球減少症、再生不良性貧血
心不全に至り、致死的転帰をたどる心筋症
筋疾患
意識障害に至る重度の低血糖
自殺行動
遺伝毒性

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The Covid-19 epidemic.
2020 Feb 12

初期症状は肺炎
子供には胃腸の症状と無症状もある

平均潜伏期間は5日、中間値は3日

初期症状は発熱、咳、鼻閉、倦怠感、上気道関連の症状
75%が呼吸困難
肺炎は発症から2~3週間でおきる

R0=2.2~3.58

致死率は2.2%

肺胞上皮細胞のACE2受容体を介したエンドサイトーシスで感染する

プロテインキナーゼのAAK1により感染阻止できる
アデノシンアナログのRemdesivirで病状改善した
エンドゾームpHを上げるクロロキンで感染をブロックできる可能性がある
lopinavir/ritonavirはSARSの治療に効果あり
モノクロナール抗体のleronlimab、RNAポリメラーゼ阻害剤のgalidesivirなども

※その他もろもろ治療剤あり

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Breakthrough: Chloroquine phosphate has shown apparent efficacy in treatment of COVID-19 associated pneumonia in clinical studies.
2020 Feb 19

COVID-19
マラリア治療薬のChloroquine phosphateが効果あり

試験管実験では低濃度で効果あり
EC50 1.13μM
CC50 100μM以上

※EC50:50%効果濃度
※CC50:50%細胞毒性濃度

100人以上の患者へのヒドロキシクロロキンの投与で肺炎悪化を抑制
肺画像改善、陰性への変化など

エンドソームのpHを上げることでウイルスの感染を防ぐ

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Chloroquine for the 2019 novel coronavirus
2020 Feb 15

teicoplanin 抗ブドウ球菌剤 試験管でEC50 8μM
remdesivir 核酸アナログ 試験管でEC50 1.1μM

クロロキン 自己免疫疾患では最大600mg/日

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Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) and coronavirus disease-2019 (COVID-19): The epidemic and the challenges.
2020 Feb 17

抗ウイルス剤投与 85%以上
oseltamivir 75mg/12時間、経口
ganciclovir 0.25mg/12時間、静脈
lopinavir/ritonavir 400/100mg/12時間、経口

抗生物質投与 90%
抗真菌剤が使われる例も

細菌やカンジダに感染されている 5.1~9.8%

効果不明ながら以下も利用されている
lopinavir/ritonavir、核酸アナログ、ノイラミニダーゼ阻害剤、remdesivir、umifenovir(arbidol)、DNA合成阻害剤(tenofovir、disoproxil、lamivudine)、クロロキン、漢方(ShuFengJieDu、Lianhuaqingwen)

以下が効果あることも考えられる
3CLpro-1(ACE2ペプチド、3CLProの阻害剤)、vinylsulfoneタンパク分解酵素阻害剤

クロロキンは試験管実験で効果あり
remdesivirは臨床で効果あり


肺炎患者
ICU 25.9%
急性呼吸障害 20.1%
挿管 8.3%
人工肺 3.2%
ショック症状 6.8%
急性腎不全 4.0%
継続的な人工透析 5.0%
急性心不全 7.2~12%

発症から死亡まで 14日(中間値)
70才以下は 20日
70歳以上は 11.5日

※COVID-19の概要から現在ある問題点まで色々書かれてる

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SARSに関する研究の概要
2004?

プロテアーゼによりSARS-CoVの増殖が著しく亢進し、肺炎重症化への関与が示唆された。

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SARSおよび動物コロナウイルスの増殖と遺伝子発現に関する研究
2005?

SARS-CoVはプロテアーゼ(trypsin, elastase等)存在下では細胞膜径路で侵入する。
エンドゾーム径路感染より100-1000倍感染効率が高い。

SARSはプロテアーゼの存在が重要で、SARS-CoV増殖及び肺の組織障害が高くなることを観察した。

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Inhibition of SARS-CoV 3CL protease by flavonoids
2019 Nov 14

コロナウイルスはフラボノイドのターゲット
フラボノイドによる抗ウイルス作用は3CLproの阻害による
SARS-CoV 3CLproへの効果を調べた

Herbacetin(3,4′,5,7,8-pentahydroxyflavone)、rhoifolin(apigenin-7-O-rhamnoglucoside)、pectolinarin(5,7-dihydroxy 4′,6-dimethoxyflavone 7-rutinoside)は効果あり
S1、S2、S3'と結合

3CLproはSARS-CoVとMERS-CoVの11箇所に作用し16の構造を取らないペプチドに分解する

50%阻害効果IC50は
herbacetin 33.17μM
rhoifolin 27.45μM
pectolinarin 37.78μM


※rhoifolin:ロイフォリン:カラムシやレモン、グレープフルーツの葉、オノニス・スピノサの芽、ノコギリパルメットの果実等
※herbacetin:ヘルバセチン:亜麻仁の外皮
※pectolinarin:ペクトリナリン:アザミ

※レモンを食べるとコロナウイルス感染予防?

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Clinical characteristics of 50466 hospitalizedpatients with 2019-nCoV infection
2020 Feb 28

COVID-19

n=50466

発熱 89.1%
咳 72.2%
倦怠感 42.5%
ARD 14.8%
CT異常 96.6%
重症 18.1%
致死率 4.3%

PubMed、Cochrane Library、Embase databasesの公開データを利用
データ収集時の検索語:"2019-nCoV", "Coronavirus", "COVID-19", "SARS-CoV-2", "Wuhan Coronavirus"

SARS-CoVでは肺の繊維化が感染後
1ヶ月 45%
3ヶ月 36%
6ヶ月 30%

肺胞損傷後、TGF-βが放出され肺の修復が起きる
ウイルスの感染はTGF-β系の過剰反応を起こし、肺の繊維化につながる

ウイルスの感染とその後の繊維化対策
remdesivir:感染抑制のために利用
抗生物質:細菌感染の抑制ではなく炎症反応の抑制と滲出物減少のために利用する。マクロライド抗生物質(clarithromycin、azithromycin、erythromycin)など
arsenic trioxide:TGF-βによる繊維化の抑制
人工呼吸器:合理的に扱い、肺の損傷を防ぐ
ピルフェニドン(抗繊維化薬)、ニンテダニブ(突発性肺繊維症治療薬):肺の繊維化を抑制

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The neuroinvasive potential of SARS-CoV2 may be at least partially responsible for the respiratory failure of COVID-19 patients
2020 Feb 27

COVID-19の主な症状は呼吸障害で、自発呼吸できない患者が多い
頭痛、吐き気、嘔吐があることも

コロナウイルスは気管だけでなく中枢神経系へも感染する
脳幹に多く感染
いくつかのコロナウイルスではシナプス接続系を通じて延髄呼吸中枢へ広がる

SARS-CoVと異なりSARS-CoV-2では上気管での症状がみられる
SARS-CoV-2のターゲットは下気管かもしれない

初期症状は発熱(83~99%)、空咳(59.4~89.2%)
呼吸器障害(~55%)
呼吸困難患者の半数以上がICU(全体の27.5%がICU)
ICU患者の46~65%が短期間で悪化し死亡する(全体の13.8%が死亡)
ICU患者の89%が自発呼吸できない(全体の24.5%が自発呼吸できない)
酸素吸入 41.7%
非挿管 41.7%
挿管 47.2%

SARS-CoVでの細胞侵入はACE2受容体を介すのがメイン
気道上皮細胞、肺実質細胞、血管内皮細胞、腎細胞、腸細胞に発現している

MERS-CoVはDPP4を介すのがメイン
下気管支、腎臓、腸、肝臓、免疫細胞に発現している

ACE2もDPP4も単独では感染には不十分

SARS-CoVもMERS-CoVも中枢神経系へ感染するが、そこでのACE2やDPP4の発現は少ない

嗅神経経由で脳へ感染していると考えられる
感染後は急速に視床や脳幹へ感染を広げる
SARS-CoVもMERS-CoVも脳幹への感染が多い

MERS-CoVを少量接種した場合は肺への感染は見られず、脳へ感染が見られ、それが高い致死率につながっていると考えられる

中枢神経系への感染ルートは不明
血液やリンパ液経由での感染ではなく、末端神経系からのニューロン経由と考えられている

COVID-19
初期症状から呼吸障害まで5.0日
入院は7.0日目
ICUは8.0日目
延髄を破壊する時間は十分にある
頭痛 8%
吐き気/嘔吐 1%
という神経症状もある

マスクの着用は中枢神経系への感染予防に効果ある
糞便摂取、結膜経由での感染は鼻腔経由よりも軽微と期待できる

SARS-CoV-2の神経感染はなぜ呼吸障害が起きるかの説明になる
武漢で重症患者が多かったのはほかの地域と比べ、初期のマスク着用率が低かったからかもしれない

感染初期からの抗ウイルス剤投与は中枢神経系への侵入をブロックできるかもしれない
空気散布による抗ウイルス剤使用は初期治療にいい

重症患者へよく利用されているコルチコステロイドは効果がないだけでなく、ニューロン内での増殖を加速する

SARS-CoV-2は免疫系からニューロンの中に隠れてるため、急性感染から回復したとしても完全な回復の保証はない
実際、回復期の患者でもウイルスが検出されている
ニューロン系への感染については現状は過小評価されているかもしれない

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Overlapping and discrete aspects of the pathology and pathogenesis of the emerging human pathogenic coronaviruses SARS‐CoV, MERS‐CoV, and 2019-nCoV
13 February 2020

SARS、MERS、COVID-19

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SARS-CoV

重量のある浮腫性の肺、肺門部や腹腔のリンパ節の肥大、脾臓の縮小
気管支上皮の露出、繊毛消失、扁平上皮化生

初期のステージは急性びまん性肺胞障害(DAD)
次のステージはDADに加えて繊維質と器質性肺炎

血中のリンパ球、単球、リンパ節、気管上皮細胞、腸粘膜、遠位尿細管上皮細胞、脳のニューロン、臓器内のマクロファージにSARS-CoVが検出
肺細胞で検出。肺胞内のマクロファージでもまれに検出される

初期のSARS-CoV活性と患者の容態に相関がある
肺内に単球、マクロファージ、好中球の浸潤が増える
炎症性サイトカインとケモカインのレベルが上昇
TNF-α、CXCL-10、IL-6、IL-8

病状悪化はSARS-CoV増殖による直接的な細胞変性とサイトカインストームによる免疫症による

SARS重症患者では以下が増える
炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-12、IFN-γ、トランスフォーミング増殖因子β)、ケモカイン(CCL2、CXCL9、CXCL10、IL-8)

CXCL10、IL-2の早期増加とその後のIL-6増加とIL-10減少がSARS-CoVでの肺損傷に寄与すると考えらえる
早期の後遺症としてIFN-α、ISGsの持続的発現起きる

SARS-CoVの増殖を伴ったIFNタイプIの遅延発現が以下を引き起こす
マクロファージ/単球の湿潤、サイトカイン/ケモカインの増殖、血管漏出、SARS-CoV特異的なT細胞障害

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MERS-CoV

滲出性びまん性肺胞障害(DAD)でガラス状膜、肺水腫、タイプII肺胞細胞の肥厚、間質性肺炎、多核細胞を伴う
気管支粘膜下腺壊死も起きる

気管支の病変は呼吸障害とX線画像の異常を伴う
MERS-CoVのターゲットは肺細胞、多核上皮細胞、気管支粘膜下腺細胞
それらの細胞はDPP4(CD24)を発現していて、それがMERS-CoVの侵入経路となる

肺細胞、肺のマクロファージ、骨格筋内のマクロファージ、遠位尿細管上皮細胞で検出
尿細管間質性腎炎、急性尿管硬化症が起きる

DPP4は腎臓、肺胞、腸、肝臓、前立腺、活性化した白血球で発現している
MERS-CoVは樹状細胞、マクロファージ、T細胞に感染
炎症性サイトカイン/ケモカインを誘発する
TNF-α、IL-6、CXCL-10、CCL-2、CCL-3、CCL-5、IL-8
これらの誘発は下気道に滲出した免疫細胞によると考えられ、重度な炎症を引き起こす

MERS-CoVのT細胞への感染はアポトーシスを引き起こす
このT細胞系免疫反応抑制が感染拡大と重症に寄与している

さらにFGF2の発現とSmad7上昇によって腎臓と肺細胞がアポトーシス

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COVID-19

試験管実験では気管上皮細胞に感染させると細胞変性が起き繊毛活動が停止した

患者は呼吸困難とリンパ球減少
急性呼吸障害、貧血、急性心不全、二次感染の合併症

無症状感染者を含めて胸のCTにすりガラス状の異常がみられる

以下のレベルが高い
IL-1β, IL-1Rα, IL-7, IL-8, IL-9, IL-10, basic FGF, GCSF, GMCSF, IFNγ, IP10, MCP1, MIP1A, MIP1B, PDGF, TNF-α、血管内皮増殖因子

ICU患者はさらに以下が高い
IL-2, IL-7, IL-10, GSCF, IP10, MCP1, MIP1A, TNF-α

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Multiple organ infection and the pathogenesis of SARS
2005 Aug

SARS(疑い10、確定8)の死体解剖18件(発症14~62日後死亡)
SARS確定患者の白血球22件(発症3~29日後採取)
の調査

SARS-CoVが多く確認できたのは以下
リンパ球、単球、リンパ系組織、気管上皮細胞、腸粘膜、腎臓遠位尿細管上皮細胞、脳ニューロン、各種臓器のマクロファージ

免疫細胞と肺の上皮細胞が損傷のメイン

SARSは重症急性呼吸器症候群や肺炎が知られているが、他の臓器不全もしばしば起きている
胃腸症状、肝機能障害、脾臓萎縮、リンパ節腫脹など

SARSの肺は通常より3~4倍重い
繊維の滲出物、浮腫、間質性肥厚、ガラス状膜形成などの肺損傷がある
肺胞崩壊、肺胞は液体で満たされ、肺胞細胞剥離、気管支上皮細胞剥離がある
多核の合成細胞、血管炎症もある
細胞の浸透、リンパ球の浸透は少ない

肺胞上皮細胞タイプIとタイプIIの細胞質にSARS-CoVを確認できる
気管繊毛細胞の50%以上で確認できる

肺の上皮細胞には損傷なし

22患者の血液サンプル調査の結果
27%で単球とリンパ球の細胞質からSARS-CoVが見つかった
発熱3~10日目のものから検出された

もっとも感染していたのはT細胞。いくらかのB細胞やNK細胞も感染

SARS-CoVは小胞体とその周りで見られる

SARS-CoV感染率
顆粒球 3.0%
単球 29.7%
リンパ球 51.5%

脾臓とリンパ節は萎縮
脾臓は62%軽くなる

消化器の炎症は100%
粘膜下組織のリンパが枯渇していた
粘膜上皮細胞で感染あり

胃や食道では感染検出されず

腎臓で出血。血尿
遠位尿細管の上皮細胞の細胞質で感染検出
尿でSARS-CoVを検出

視床下部と皮質にあるニューロン細胞質の多くからSARS-CoVを検出
浮腫とニューロンの赤色変性が75%

63%で肝細胞が変性

心臓、膵臓、副腎、甲状腺、筋肉では変化なし

T細胞(CD3+、CD4+、CD8+)は発症から回復期まで減少


脾臓、リンパ節、腸リンパ系組織でリンパ球の破壊が起きている
そのリンパ球の破壊が後天性免疫不全を引き起こし、呼吸障害を悪化させているかも

※サイトカインストーム説はまだ証拠がないとされているときの論文?

SARS患者の29~39.2%が下痢などの消化器系症状
発症から3.5~7.5日以内までの間に起きる

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The characteristics of hDPP4 transgenic mice subjected to aerosol MERS coronavirus infection via an animal nose‐only exposure device
2019 Oct 30

エアロゾール感染の実験

マウスの鼻からMERS-CoVエアロゾール吸入で感染

潜伏期間5~11日で感染
体重減少7~11日目に観察
肺の病変7日目
肺の高濃度ウイルス3~9日目
脳の高濃度ウイルス7~9日目
60%が生存

DPP4受容体のないマウス、ハムスター、フェレットはMERS-CoVに感染しない
DPP4受容体はMERS-CoVのSタンパクの受容体結合ドメインと相互作用する。

hDPP4(ヒトDPP4)受容体発現マウスはMERS-CoVに感染し、肺炎を発症する。

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